建築模型キット【上級編②】【サヴォア邸】作り方

製作手順説明

※中級編②との比較写真です。本商品内容はS=1/50のみです。

■建築模型の製作手順(サヴォア邸の製作)

この度はスタジオサカイ建築模型キットをご購入頂き誠に有難う御座います。

この章では模型キットの製作手順を解説しておりますので写真の順序に従い製作を進めてください。

模型キットではあらかじめ下書線をスチレンボードに下書されておりますので、線をなぞるようにしてカットして頂ければ簡単に部品を切り分けることが出来ます。

模型製作は、出来るだけご自身の努力で解決しながら製作することが技術向上のためにも望まれますが、どうしても作り方がわからない場合はこちらに連絡頂ければ返信にてアドバイス致しますのでご利用ください。

■サヴォア邸模型を製作するにあたり

サヴォア邸の製作難易緯度はかなり高いです。建築模型の製作経験のない方や建築図面の読めない方は製作することが出来ないことがありますので、初級編・中級編の製作経験を経てからチャレンジされるようにお勧めします。

●模型製作に必用な準備

カッターナイフ、定規を用意ください。

綺麗な模型を製作するためには、カッターナイフの切れ味が重要です。カッターナイフは一度刃の先端を折ってシャープな状態にしてください。

また、カッターナイフを継続して使用すると切れ味が低下するため、替え刃なども用意しておくとよろしいでしょう。

模型キットには接着剤(スチボンド)が含まれております。チューブの先端をハサミなどでカットしてご使用ください。カットする大きさでボンドの出てくる量が変わりますのでご注意ください。

接着の際は爪楊枝など先の細いへら又は棒を使ってボンドを伸ばすようにされると宜しいと思います。

スチノリなどの専用接着剤をお持ちの際は使い慣れたボンドを利用頂いても結構です。

●スチレンボード角接着方法のアドバイス

スタディ模型に使われるスチレンボードは軽くて丈夫な素材ですが、表面に貼られている紙を上手に残すことにより角の接着を綺麗に加工することが出来ます。

既にご存知な方はこの章を飛ばして進めて結構です。

初めて加工される方は、下記の接着技術を理解のうえ習得ください。

以後、スチレンボードの接着では、このような方法で接着することが普通となりますので注意しながら進めてください。

1. カッターナイフのガイドを利用します。
2. 定規にガイドを乗せて滑らせながらカットします。

定規にガイドを乗せることにより、カッターの刃がそれ以上下側に行かなくなります。

カットする幅はスチレンボード(3mm)です。カッターナイフをガイドを支点に回転させることで深さを調整します。

この時、正確な寸法と角度を出すために建築模型定規の利用がおすすめです。

建築模型定規を使うと、少ない手順で効率よく作業を進めることができます。

3. 裏の紙1枚残しカットした後不要な部分を剥がします。
4. はがした部分に接着剤を付けます。

切り口にカッターナイフを差し込み、不要部分を剥ぎ取ります。

剥ぎ取った部分の残りカスを綺麗に取り去った後接着します。

5. 接着します。
6. のりしろが出ていないことが確認できたら接着完了です。

1枚残しに便利な建築模型定規S・M・Lサイズを販売しています。ぜひ一度お試しください。


■完成写真

完成写真(正面)
完成写真(裏面)
完成写真(側面)
完成写真(側面)
完成写真(比較・分解)
完成写真(比較・分解)

■本体製作開始

製作する前にセットに入っている設計図面を確認ください。一通り内容を確認した後、模型製作に必用な部分をカットします。

サヴォア邸模型キットでは1階、2階、3階に分解できる模型となっておりますので、それぞれ、必用な部品をカットする必要があります。

綺麗な模型を製作するためには、スチレンボードの扱いになれている方も、一度でカットしようとせずに、数回に分けてカッターナイフを引くように操作すると綺麗にカット出来ます。

途中で間違えて切ってしまった場合は、余った部分の材料等で同じ寸法に合わせて作り直せば問題解決します。間違えたからといってあきらめず気軽に製作を楽しんで下さい。

セット内容

窓部パーツ
紙パーツ
7mmパーツ
5mmパーツ
3mmパーツ
2mmパーツ
柱パーツ
設計図
スチボンド

作り方手順

作り方は基本的に中級編②と同じですので、中級編②の作り方を記載しています。

素材の厚みが変わるため、1枚残しをするために一部部品の大きさに違いがありますが順序は同じです。

中級編②と違う手順の時には、写真や文章で説明しています。

■1階床の製作

1. 1階土台部品を切り出します。
2. 1階床部品を切り出します。
3. 土台に床部品を接着します。
4. 2mmボード青1~8を切り出して接着していきます。
5. 青1、2を取り付けました。
6. 青3~8を取り付けました。

1番のパーツは南側を床面のラインにあわせて斜めに切り落としておきます。

2mmのスチレンボードは断面が見えないように紙一枚を残して角を落とし、組み合わせるようにしましょう。

7. 角の処理
8. 反対側
9. 内壁の1mmボード赤1~24を順に取り付けていきます。
10. 赤1、2
11. 赤3~7
12. 赤8~11
13. 赤12~17
14. 赤18~21
15. 裏から見た様子。
16. 赤22~24
17. 2mmパーツの青10の取り付け
18. このようになります。
19. 赤25、26と青9を取り付けていきます。
20. 赤25に2mmパーツ青9を取り付けます。

手順14はスロープ部分の製作です。

そのまま接着すると9番のパーツと床面が干渉してしまうので、角をカットしてあります。

カットするラインで、表面の紙一枚だけを切ってから斜めに刃を入れると上手く切ることができます。

少し難しいですが、バランスを見ながら上手くカットしましょう。

21. このようになります。
22. 反対側にも青9を取り付けます。
23. 赤26を取り付けます。
24. 1階の床面にスロープを取り付けます。
25. 紙パーツの1~4を切り出します。
26. 曲面の壁を取り付けます。

ケント紙のパーツは丸い棒などに巻きつけ図面に合うよう形を整えてから接着しましょう。

点線の部分はのりしろです。軽く切り込みを入れてから折り曲げて下さい。

27. 反対から見た様子。
28. 保護紙を剥がした窓パーツを接着していきます。

窓パーツの上下にガイドとして13、14番を取り付けます。

11番、12番も予め曲げ癖をつけておくと接着しやすいですが、薄い素材の為折れてしまわないように注意してください。

29. 窓パーツの11と14、12と13を接着していきます。
30. 床に取り付けます。
31. このようになります。
32. 残りの窓パーツも取り付けていきます。
33. 取り付けました。
34. 裏側

螺旋階段の製作をします。

35. 1階から2階の螺旋階段のパーツを切り出します。
【ポイント】 階段の厚みの調整をします。

階段の厚みの調節をする為、3ミリパーツの紙を剥がしてから1ミリパーツを接着します。接着ができた部品同士で階段を作っていきます。

36. 最初の3段を接着したところです。
37. 手摺り部分を取り付けます。
38. 扇状の階段を取り付けます。

階段は数段をまとめて接着してから手すりに取り付けるといいでしょう。

39. 一番上の段まで取り付けます。
40. 紙パーツの9番に手すり補強のパーツを取り付けます。
41. 螺旋階段に取り付けます。
42. 組み立てた階段を1階床面に接着します。

この紙パーツの9番も予め曲げ癖をつけてから接着しましょう。

階段を床面に接着するのは、2階床面と組み合わせるためのバランスを調整しながらがいいかもしれません。

2階床面ができてからでもいいでしょう。

43. 1階用の柱を取り付けます。
44. 1階床面の柱用のくり抜きに柱を取り付けます。
45. 1mmパーツ赤27、28を取り付けていきます。
46. 柱に取り付けます。

これで1階床の完成です。

次は2階床の製作です。


■2階床の製作

47. 2階床面を製作していきます。
48. 組立図で指示してある部分を切り取ります。
49. 2mmパーツ外壁の青1~4を取り付けていきます。
50. 外壁青1、2を取り付けます。
51. 同じように青3、4を取り付けます。
52. 内壁の青5~12を取り付けていきます。

1階の外壁と同じように角は断面が見えないように処理します。

53. 青5、6
54. 青7~12
55. 2階1mmパーツの赤1~3を取り付けていきます。
56. 床面に取り付けます。
57. 赤4~13を取り付けていきます。
58. 赤4~13
59. 赤14~22を取り付けていきます。
60. 赤14~22
61. 赤23~32を取り付けます。
62. 赤23~32
63. 赤33~39を取り付けます。
64. 赤33~39
65. 赤40~44を取り付けます。
66. 赤40~44
67. 赤45、46を取り付けます。
68. 赤45、46
69. 赤49、50を取り付けます。
70. 赤49、50
71. 赤47、48と2mmパーツ青13、14を組み立てます。
72. 赤47に青13を取り付けます。

13番は後ほど14番を取り付けるために端が垂直になるようにカットしておきます。

73. 反対側にも青13を取り付けます。
74. 窓枠の上端のラインに13番の下部をあわせるように接着します。
75. 青14を取り付けます。
76. 2階床面にスロープを取り付けます。
77. 反対側から見た様子
78. 2階から3階の螺旋階段を組み立てていきます。

この階段も先ほど同様、3ミリパーツの紙を剥がし1ミリパーツを接着して厚みの調整をしてください。

79. 1階の螺旋階段と同じ要領で作ります。
80. 一番上の段まで取り付けます。
81. 紙パーツと補強用パーツを取り付けます。
82. 2階床面に接着します。

補強用のパーツが1階の階段とは逆側に取り付けてあることに注意してください。

83. 紙パーツの5番を取り付けます。
84. このようになります。

紙パーツの5番はカーブが小さいので、より細い棒で型をつけておくといいでしょう。

85. 柱と窓パーツを取り付けたら2階の完成です。
86. 違う角度から

外壁の青2の切り抜き部分の柱パーツはこの時点で取り付けてもよいですが、取り付け方法は製作手順の最後に説明しています。

87. 違う角度から
88. 違う角度から

■3階の製作

89. 3階床面を製作していきます。
90. 組立図で指示してある部分を切り取ります。
91. 外壁パーツの2mm青1、2を取り付けます。
92. 青3、4を取り付けたら2mmのパーツは終了です。

2番は画像の通りに角を斜めに切り落とします。

93. 1mmパーツ赤1~3を取り付けます。
94. 赤1~3
95. 赤4~7を取り付けます。
96. 赤4~7
97. 紙パーツ6、7を取り付けます。
98. このようになります。
99. 赤8、23、24と紙パーツの8を取り付けていきます。
100. このようになります。
101. 赤11~19と紙パーツ10を取り付けていきます。
102. 赤11~19
103. 赤20~22、25~34、残りの窓パーツ、柱を取り付けていきます。
104. このようになります。
105. 別の角度から
105. これで3階の完成です。

2階の柱パーツ

106. 2階の切り抜き部分の柱パーツを取り付けます。
107. 1階の柱の延長線上に取り付けます。

印がないので、1階と2階を組み合わせて1階の柱とつながるように等間隔で取り付けてください。


お疲れ様でした。

1階から3階まで組み立てたら完成です。

108. 1階
109. 1階、2階
110. 全体
111. 完成です。お疲れ様でした。

■完成おめでとうございます。

製作お疲れ様でした。一連の作業を体験頂けたことと思いますが、本格的な住宅模型の完成です。

中級キットですが、製作内容は本格的なものとなりますので、このような模型を普段作ることが出来る様になれば、お仕事などでも充分活用することが可能となります。

■製作時間によるレベル判定

製作時間の目安は次の通りです。ご自身の技術レベルを確認してこれからも練習にチャレンジください。

あなたは模型製作の知識・技術が平均以上と思われます。練習により高度なテクニックも早期に習得できると思いますので練習に励んでください。

あなたは模型つくりの平均以上の素質があるかもしれません。この調子で練習すれば早期に上等技術を習得出来ます。

あなたは建築模型初心者です。練習により技術が向上しますのでこの調子で努力を重ねてください。

模型は作れば作るほど技術力が向上します。綺麗な模型を作りたい場合は練習のみと言っても過言ではありません。

普段の練習を重ねるためにもスタジオサカイの建築模型キットをご活用下さい。



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